長谷川修一『聖書考古学』
旧約聖書の内容を、考古学的に検証するということについて。最初に興味を惹かれたのは前半の考古学や発掘の方法に関する部分で、非常にわかりやすく、この箇所だけでも一冊入門書が書けるのではと思うくらい充実していた。
もう少し聖書を読んでからにしてれば/古代オリエント史をもう少し勉強してから読んでれば…と途中何回か思ったが、話が聖書学の潮流をたどりながら丁寧に展開されていったので、読み切ることができた。
なかでも、当時の生活習慣や環境、生態が聖書の内容にも反映されているというエピソードはとても面白かった。ラクダのいる国に在住経験のある者としては、リベカとラクダのくだりは読み飛ばせないところ。
以前、藤本満の『祈る人びと』でアブラハムが天幕生活だったことを知った。7世紀にはモンゴルにキリスト教(ネストリウス派)が伝来していたが、同じ遊牧民として彼の生活を身近に感じたのかもしれない。「どこにあっても神を礼拝する」ということに親和性があったのかも。
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