山下博司『古代インドの思想』

古代インドの思想が、副題の3テーマ「自然・文明・宗教」にどのように影響されて成立してきたかという話。第一部の「自然」が特に重要で、「環境」としてあとの2つにも関係してくる。

自然環境が人の精神にいかに影響しうるかというのを、古代インドという事例でみているというような内容。インド思想の源流を辿りつつ、文学表現としての特異性にも触れているが、そこに通底するのが自然ということを丁寧に書いている(決して決定論ではない)。 

しかしとにかく話が壮大。インドにモンスーンがある理由のひとつは東アフリカの山脈とか、オマーンには500年前からインド人コミュニティがあったとか、インダス文明は日本2つ分の土地に広がっていたとか、、それでこそインド。うん。

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